スプリングドライブ

1999年、セイコーはスプリングドライブの開発に成功した。これは機械式ムーブメントに水晶振動子を使用した調速機構を組み込み、動力源にぜんまいを使用しながらクォーツ時計と同等の高精度を実現したものである[13]。手巻きあるいは自動巻きによって巻き上げられたぜんまいは針を動かすと同時に発電を行い、その電力によって水晶振動子を備えた調速機構を動作させる[14]。このため機械式調速機構で使用されるテンプや、クォーツ時計で使用される電池が不要である。セイコーではこのスプリングドライブを「メカニカル式とクオーツ式に並び立つ第三の駆動機構」と位置づけている。

シチズンの「エコドライブ」は光発電によって駆動する。また外気温と装着者の体温の差を動力源にする「エコドライブサーモ」もある。

カシオ計算機は「腕時計は床に落とせばたやすく壊れる」という常識に反し、2~3階から落としても壊れないという耐衝撃性能を備えたタフな腕時計、G-SHOCK(Gショック)を1983年から発売した。このGショックはその頑丈さを買われ、過酷な状況にある湾岸戦争やイラク戦争などの戦場で兵士たちに愛用されていたという。

スウォッチは、安価なクォーツ時計に鮮やかな色彩、有名アーティストによるデザイン、少数限定販売という付加価値を与えることでユーザーの支持を集めた。

スイスの老舗メーカーであるユリスナルダンが2001年に発表した「フリーク」は新しい脱進機の導入により、潤滑油を不要としている。オメガはジョージ・ダニエルズが発明した「コーアクシャル」と呼ばれる新機構を導入し、機械式時計の心臓部である調速機構との動力伝達を果たす脱進機機構(アンクル爪、ガンギ歯)における摩擦の大幅な低減に成功している。さらに近年では「フリーク」「コーアクシャル」に追随するように独自の脱進機を開発したり、ガンギ車やアンクル、ヒゲゼンマイにシリコンや新たな特殊合金などの先端素材を採用したりして、オイルフリーや精度向上を目指す動きもあり、さながら脱進機革命とも呼ぶべき状況が生まれつつある。
update:2009年09月14日